プ―タローの1日
署 眞田 圭介
雨が滴る六月半ば、雨音がぽつぽつと部屋に響き渡り湿った空気がじめっぽさを感じさせる。
梅雨の時期と言うのは本当に嫌なものだ。
外へ出かけようにも濡れるし、風邪ひきやすいし、どこへも行けないなんて最悪だ。
仕方ないのでパソコンでも開きながら飯を食おう。
とりあえず、パソコンオン!
ウィイイイイイン ブツン。
……ちょ、待てよ。いきなり消えるとかないだろ!
再度立ち上げてみる。
『コンピュータを通常通り起動しますか?YES?/NO? NOだろ? 絶対NOだよね?わかってるよ。パソコンさんはわかってるんだよ~~だからお前のために動くもんか!』ブツン。
……普通にムカついてきた。
とりあえず、連打だ連打。
ガチャガチャガチャ、ドッカンドドドドド
アタタタタタタタ!これでもかっ!これでもかっ!
『まいりました。あなたのその腐った根性に敬意を表して立ち上がってやりましょう』
ようやくパソコンが起動する。良かったよかった。パソコンの画面であれこれと検索してはむしゃむしゃと食す。
……全く、最近のインターネットというのはすごく便利だ。
例えば、この部屋がほしいという書き込みをすればすぐに検索エンジンによって必要な情報を得ることができる。
しかし、その逆もしかりだ。
世界は炭酸と水のようにできている。
まったく、最近じゃよくわからない理由で人を殺めたりする事件が多いそうだ。
『お金を1万円だけ盗もうとして見られたので刺したら死んでしまいました。怖くなって逃げた』とかよくわからんわ。
命ってやつをなんだと思ってるんだ?むしゃむしゃごっくん。
とりあえず、飯を食って考える。小柄な耳と、白き毛、鼻の両サイドに生えた3本の白い髭。彼は、そんな人間なんてどでもいいやと思いながらむしゃむしゃとむさぼっている。
最近はペットフードとかもいろいろ変わってツナ缶とかフォアグラ缶とかいろんなものがでてきていたなぁ。
って言いながら大好物のサヤエンドウをむさぼる俺。
だって、この程良い水っぽさが食感をより良くさせている。
しかも甘い!これに尽きないものはない。
そうして、今日も1日サヤエンドウを食べて、猫じゃらしを片手でごろごろとしながら、たわむれる日々を過ごすのだ。
ほんと、猫に生まれて良かったよ。だって、1日中寝ていたって人間に文句はいわれねぇんだからな。
完